サイヤング賞投手バウアー、メジャー復帰とDeNA残留の2択か?米復帰熱望も厳しい現状

バウアー メジャー

今年3月、MLBで2020年のサイ・ヤング賞投手でもあるトレバー・バウアー選手がDeNAに入団するというサプライズがありました。

バウアー選手はMLBの実績を日本球界でも証明し、今季は10勝4敗で中4日で完投勝ちなど沢村賞先行委員会が絶賛する活躍を見せました。

契約期間が1年ということで、今後の去就について注目が集まっています。

バウアー選手自身はメジャー復帰を最優先に考えているようですが、そこには色々な障害が立ちはだかっておりスムースにはいかないようです。

またDeNAも残留交渉を行っていますが、ソフトバンクもバウアー獲得に興味を示しています。

この記事ではバウアー選手が日本球団に入団した経緯、MLB復帰に向けての障害、DeNA残留の可能性などについて詳しく解説していきたいと思います。

バウアー選手がDeNAに入団した経緯

バウアー 入団画像引用元:週刊ベースボールONLINE

サイ・ヤング賞投手でもあるバウアー選手はドジャースと3年1億200万ドル(約137億円)の契約締結をしていました。

ドジャーズとの契約は1年残っていましたが、バウアー選手は2021年に知人女性に対するDVによりMLBから324試合の出場停止処分を受け(最終的には194試合に短縮される)、今年の1月にドジャースとの契約が解除されていましたが、MLBの他球団は問題のあるバウアー選手との契約をしませんでした。

2023年の年棒についてはドジャースが負担するため、メジャー最低年棒の72万ドル(約9,700万円)で自由に獲得可能な状況となり、DeNAが獲得に動いた経緯があります。

横浜DeNAとの契約内容は推定4億円と言われています。

バウアー選手自身も日本でプレーについて「自分の中でずっとやりたいことリストに入っていたこと」と話しており、2009年の日米大学野球選手権でアメリカ代表として来日した時の東京ドームの光景が印象に残り日本の野球に興味を持つようになったようです。

また、2019年のシーズンオフにはDeNAのファーム施設「DOCK」を訪れており、選手たちとの交流もあり、それ以来、球団職員たちとも親交を持ち続けたことも今回DeNA入団の理由のようですね。

最優先はMLBへの復帰

日本野球界に興味があり、やりたいことリストに入ってたことを実現したバウアー選手ですが、既に代理人がMLB復帰に向けて動いているようです。

MLBの第一線で活躍していたバウアー選手としては、やはりMLB復帰が最優先の希望なのでしょう。

ヘイマン氏は「トレバー・バウアーの代理人を務めるジョン・フェターロフとレイチェル・ルーバは、バウアーがMLBに復帰できるよう願って、(MLBの)チームと会談をしている」と、自身のX(旧ツイッター)に投稿。

引用:https://full-count.jp/2023/11/09/post1469171/

DeNAの方も単年契約をしたバウアー選手がメジャー復帰を最優先に考える事は織り込み済で、MLB復帰を尊重しつつも、残留に向けての準備もしっかりと進めているようです。

来年もバウアー選手がDeNAのユニフォームを着て活躍し、沢村賞、リーグ優勝、日本一へとDeNAを導いてほしいですね。それだけの力を持っている選手であることは間違いありませんね。

DeNA・萩原チーム統括本部長が11日、横須賀スタジアムで取材に応じ、単年契約が終了したトレバー・バウアー投手(32)がメジャー復帰を最優先に考えていることを明かした。「まずMLBを最初に考えるでしょうし、元々、彼は(メジャーに)戻るためにうちに来てくれたと思う。チャンスがどれだけあるか」と説明。

引用:https://hochi.news/articles/20231111-OHT1T51268.html?page=1

バウアー選手の成績

登板 完投 自責 WHIP 防率 チーム
2012年 4 0 11 1 2 1.65 6.06 Dバックス
2013年 4 0 10 1 2 1.82 5.29 カーディアンズ
2014年 26 0 71 5 8 1.38 4.18 カーディアンズ
2015年 31 1 89 11 12 1.31 4.55 カーディアンズ
2016年 35 1 90 12 8 1.31 4.26 カーディアンズ
2017年 32 0 82 17 9 1.37 4.19 カーディアンズ
2018年 28 0 43 12 6 1.09 2.21 カーディアンズ
2019年 24 1 66 9 8 1.21 3.79 カーディアンズ
2019年 10 0 40 2 5 1.35 6.39 レッズ
2020年 11 2 14 5 4 0.79 1.73 レッズ
2021年 17 1 31 8 5 1.00 2.59 ドジャース
2023年 19 2 40 10 4 1.15 2.76 横浜DeNA

バウアー選手は2015年からカーディアンス(旧インディアンズ)、レッズで5年連続2桁勝利と活躍。

新型コロナウイルスの影響で60試合に短縮された2020年のシーズンには11試合に先発して防御率1.73で最優秀防御率のタイトルを獲得し、5勝4敗、100奪三振(リーグ2位)、WHIP0.79(同1位)の成績でサイヤング賞を獲得。

メジャー通算で83勝。奪三振率が非常に高いメジャー屈指のピッチャーです。

バウアー選手のMLB復帰が難しい理由

バウアー メジャー画像引用元:日刊スポーツ

MLBへの復帰を熱望しているバウアー選手ですが、現状、復帰への道は厳しいものとなっています。

バウアー選手の代理人は日本での実績を元にメジャーの球団に売り込みをかけているようですが、問題となっている性的暴行疑惑以外でもいくつかの障害があり、各球団はバウアー選手の獲得にかなり消極的なようです。

バウアー選手の前に立ちはだかるMLB復帰の障害について見ていきたいと思います。

バウアーのメジャー復帰については、先日、巨大契約を結んでいたドジャースのお膝元であるロサンゼルス・タイムズ紙が、元オーナーや元球団社長の話として「復帰のチャンスは少ない」「勝ちたいがためにバウアーを獲得することは考えにくい」などの否定的な見通しの記事を掲載していた。

引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/a344a7b94244c590c2743b891e6a18ffa63a62cb?page=2

女性への性的暴行

既に今年の10月に和解金なしで原告側の女性と和解したことが発表されていますが、2年前のDV禁止規定違反によりMLBから324試合の出場停止処分を受け、ドジャースが契約を打ち切った過去は消える事はなく、どの球団もこの問題が大きな障害となっていることは間違いないようです。

FA解禁前後からバウアー選手がリストの中に名前が挙がる事はなかったそうです。

MLB復帰はかなり厳しいものと思われますね。

FA解禁の前後から米メディアは、注目選手のランキングやリストを次々と発信してきたが、トップ50や40の中に、バウアーの名前があげられることは、これまで一度もなかった。

この10月に和解金を支払うことなく訴えた女性と和解したことが発表されたが、2年前に訴えられ、DV禁止規定違反でメジャーリーグ機構から324試合の長期の出場停止処分を受け(その後、処分は194試合に短縮)、今年1月にドジャースが契約を切った過去の問題が障害となり、獲得を希望する球団が現れないのではないか、との判断からだ。

引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/a344a7b94244c590c2743b891e6a18ffa63a62cb

過去の問題行為から同僚や監督からの信頼が低い

バウアー選手は過去にチームメートとの関係が良好ではありませんでした。そういった彼の振る舞いにより他の選手がバウアー選手を受け入れられるかどうかという問題が発生します。

いくら実力がある選手でもチーム内でもめごとを起こすようなことがあれば、球団としてはあまり積極的に獲得したいとは思わないのでしょう。

ダイヤモンドバックス時代に先輩捕手のサインを無視したり、インディアンス時代には監督に交代を告げられセンターへボールを投げるなどの問題行動を起こしたことがあり、DV疑惑以外の行動を問題視したもの。

引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/a344a7b94244c590c2743b891e6a18ffa63a62cb?page=2

粘着物質使用指摘問題

バウアー選手が粘着物質使用禁止のきっかけをつくったと言われています。

実際に回転数が挙がったデータを投稿したりすることで、暗黙の了解だったものが公になることで取締りが強化され、バウアー選手は球界内で裏切者扱いをされるようになったそうです。

そういった曰く付きの選手を獲得することで球団内での軋轢が生まれる事を避けたいという球団が多いのでしょう。

「大きいのは投手の粘着物質問題でしょう。メジャーは21年6月から急きょ、投手の粘着物資使用を厳しく取り締まるようになったが、きっかけをつくったのがバウアーです。アストロズ投手陣が強力な粘着物質を使っている疑いがあると指摘、実際に回転数が上がったデータを投稿したりした。それまで暗黙の了解だったものを公にしたことで、球界内で裏切り者扱いされたのです。そういった投手を獲得すれば、球団内部に波紋が生じるという判断が働いているのでしょう」

引用:https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/331823

こうして過去の例を見てみると、気性が激しく、感情を表に出す選手だという事が分かりますね。

野球選手としては一流投手と認めるものの、人間性の部分でどの球団も敬遠しており、MLB復帰は一筋縄にはいかないようです。

DeNA残留の可能性は?

バウアー DeNA画像引用元:週刊ベースボールONLINE

MLB球団からはあまり良い印象がないバウアー選手ですが、今年1年一緒にシーズンを戦ったDeNAのメンバーとの関係は良好なようです。

伊藤光捕手がバウアー残留を熱望

伊藤光捕手は、海外FA権を行使せず4,500万円ダウンの6,500万円プラス出来高で新たに2年契約を結びました。

会見でもバウアー選手に対して残留へのラブコールを送っています。

バウアー選手が焼き鳥の焼いているところを見たいという希望があり、伊藤選手と通訳と一緒に焼き鳥を食べに行くなど公私に渡り伊藤選手はバウアー選手との絆を深めているようですね!

去就が注目されるバウアーへの思いも吐露し「またバッテリーを組みたい。バウアーのキャッチャーと言えば僕と思われることも、自分の野球人生にとっては良いこと」と相棒へラブコールを送った。

引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/1e81e90061650ef1b67ebd74a50116f093e9061a

メジャー挑戦の今永昇太選手、バウアー選手に感謝

今永翔太選手はポスティングシステムによるメジャー挑戦を伝える会見で、バウアー選手に対して感謝の気持ちを話しました。

メジャーの第一線で活躍し、サイ・ヤング賞投手であるバウアー選手との1年間は今永昇太選手とっても濃密な時間だったことだと思います。

メジャー挑戦を掲げていた今永にとって、バウアーと過ごした今シーズンは学びの連続だった。元サイ・ヤング賞の実績を誇る右腕には積極的に質問も重ね、成長につなげた。「身近でトッププレーヤーの方が練習していたというのは、色々なアドバイスもいただきましたし、マインドもスキルも身近で見られたので自分のキャリアとしてはものすごくいい1年間をバウアーとともに過ごさせてもらったかなと思います」とうなずいた。

引用:https://full-count.jp/2023/11/13/post1471010/

DeNAのバウアー選手への提示内容

現時点で年俸等の提示額は公表されていませんが、バウアー選手個人のファンクラブの設立やアパレルブランドとの提携など、可能な限りバウアー選手が日本での希望をする環境を考えているようです。

バウアー選手も提案内容に対してまんざらではないようです。

バウアー残留に向け、オンリーワンの条件提示の準備を進める。獲得時には個人ファンクラブの設立やアパレルブランドとの提携などを提示したが、萩原チーム統括本部長は「いくつかぶつけているものはあって、『それは面白いね』と言ってくれてるものはあります。

引用:https://www.nikkansports.com/baseball/news/202311110000717.html

バウアー選手はMLB復帰かDeNA残留の二択の可能性が高い

バウアー 投球画像引用元:サンスポ

ここまで解説してきた通り、バウアー選手がMLB復帰を第一優先で考えていますが、復帰の道は非常に厳しいいものと思われます。

また日本球界に残る選択をした場合、ソフトバンクなども調査を進めていますが、この1年でのDeNAとの関係性や入団の経緯を考えると他球団への移籍の可能性は少ないのではないかと思います。

MLB復帰の可能性があれば恐らくDeNaを退団することになり、MLB復帰が叶わなかった場合はDeNAに残留になるのではないでしょうか?

DeNAトレバー・バウアー投手(32)が、来季の所属先として、残留かメジャー移籍かの2択が濃厚になっていることが11日、分かった。日米での争奪戦が予想され、ソフトバンクなども調査を進めたが、国内はDeNAが最上位の模様。萩原チーム統括本部長は「元々、彼は(メジャーに)戻るためにうちに来てくれたと思っているので、そこのチャンスがどれだけあるか。今、リサーチされてると思いますので、それ次第だと思います」と話した。

引用:https://www.nikkansports.com/baseball/news/202311110000717.html

まとめ

以上が、バウアー選手がMLB復帰に向けて立ちはだかる障害の内容やDeNA残留の可能性などについ詳しく説明してきました。最後に簡単にまとめてみます。

  • バウアー選手の第一の希望はメジャー復帰すること
  • バウアー選手のメジャー復帰について、リスクを冒してまでバウアー選手を獲得する球団はない
  • DeNAと良好な関係にあり、日本球界に残るのであればDeNA残留の可能性が高いのではないか

バウアー選手獲得に名乗りを上げるメジャー球団があるかどうか。バウアー選手がメジャー復帰が叶うのはそれしかありませんが、現状は非常に厳しそうですね。

今年DeNAで良い関係を築き1年を通してよい成績を残していますので、来年もDeNAで優勝を目指して頑張ってほしいですね。